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#114 何が起業だ!

「お前が帰ってきただけで全然気持ちが違うんだ。
  昨日までは、本当に・・・ 
   もう・・・ 無理かなって・・・。」

  「・・・そうか。 ・・・なら決まりだ。」



1月末日 日本から再びイタリアへ戻った夜

一連の訃報による緊急帰国からイタリアに戻ってきたばかりの僕の前で、
両目のまわりに青あざを作ったキョンシーみたいな僕のパートナーが
力なくそう言った。

「僕がいなかった間、気持ちは大丈夫だったか?」

僕が聞いたのはこれだった。
日本にいる間ずっと心配していた。
僕の不在は、ユーにとっての仕事を広げるチャンスでもあるとともに
暴力の激化の可能性を十分に秘めていたからだ。

ところが悪い想像の方が当たってしまった。
包丁でコックスーツをきられたり、
木べらで額を殴られ血が噴き出したり
トイレに行かせない、そして暴行は1日100発を超すほど多かったらしい。
想像以上に最悪なところまで来ていた。


許せない。


そして僕が、日本からイタリアへ帰るまでに決めたのは、
“ユーの心にとって、取り返しがつかないことだけは避ける”
ということだった。



「二人で行ってる意味がないやろ!
 仲間1人守れないで、なにが起業だ!」



僕は日本で博士(一馬)に怒られた。
友達思いのあいつは目に涙を溜めながら僕を責めた。

もちろん、ユーがやるって言ってる以上、僕がタオルを投げられないのも
そこまでしてもやり遂げたいっていう僕ら2人の想いも全て
わかった上でのセリフだった。
僕には返す言葉がなかった。

ユーがギブアップするまでやらせた方がいいとか、
店を変えるべきだとか、1人だけ帰国させろとか
その方が後々しこりがのこるとか・・・

僕らの仲間からはいろんな意見が出たけど、
僕は、ユーのメンタルを最優先することに決めた。
だって、自分の心が壊れるまであいつは諦めない気がするから。


「パートナーがやっとの思いで見つけた仕事と家だから、しがみついてでも離さない」
この想いだけでやり遂げてきた、あいつの仕事はカッコいい。
いままでいくら気にしなくてもいいといっても、ユーはここにこだわってきた。
仕事を見つけてきた僕に対して、恩のようなものを感じていた。


「今回感じた悔しさは次の仕事で返そう。もう終わりにしていいだろ?」
“終わり”  もちろんタオルを投げていいかという意味で。
もうずいぶん厳しいところまで、メンタルがきていると確信したから。


「今の店で十分に自分の弱点がわかったんだから、それだけでも儲けもんだ。
 次ぎに活かせれば、このくだらない環境にこだわる必要なんてない。」


「・・・あ  ・・・りがと ・・・う。」

「気にすんな。」



近いうちに、僕はオーナーとシェフと先輩に全てを話す。
もともとクビの話もあるユーだから、こいつだけクビにして解決させようとするなら、
そんな仕事場なんてこっちから願い下げだ!

僕たちは一蓮托生。僕のクビも乗っけてやる。
冬のイタリアで、家と仕事をなくすのはきついし、
また放浪生活にもどってしまう。

でも、仕事や家より、大事なものがある。


イタリアへ帰国した最初の夜に僕の腹は完全に決まった。
いざ、勝負!

人気ブログランキングへ これは1/26のお話です。
 現実はもう少し先まですすんでいます。
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majiro

Author:majiro

企画マン まじろー
(写真:右)
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2009/2
 サラリーマン卒業!
2009/5
 フィレンツェでコック修行!
2009/9
 プーリアでコック修行!
2010/4
 ヨーロッパ旅行
 『世界の緑から』へ出発!
2010/5
  帰国。(東京→三重へ)

デザイナー  ユー
(写真:左)


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