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#166 贅沢な時間。

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“贅沢な時間”と言われて、何を思い出すでしょうか?

 きっと多くの人が、数万円のフレンチのディナーや高級ホテルで過ごすことを
イメージするのではないでしょうか。

 ヨーロッパには、このような“お金を使った贅沢”の他に、
もう1つ違う形の贅沢がありました。それは、“時間を使った贅沢”
そしてそれは欧州を巡る一年の旅により、僕らが受けた一番の衝撃となりました。

 欧州は決して日本よりも経済的に豊かではありません。むしろとても貧しいと言っても
過言ではありません。街は汚れていて不潔で、建物は老朽化が進み、失業率は年々増加、
近代的設備もインフラさえ整備が行き届いているとは言えません。

 しかし彼らは、とても贅沢な生活をしていました。
欧州諸国が、“大人の国”と言われる理由がここにあります。

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パリの街には、音楽家たちの音色が響きわたり、街は緑にあふれていて
少し長めの昼休みには公園の芝生で寝転がってランチをしていました。

アムステルダムの郊外では、人々が自分たちの小さな小さな庭の小さな植物に水をやり、
コーヒーカップを片手にテラスで読書を楽しんでいました。

イギリスでは、仕事帰りにパブで生演奏を聴きながらビールを飲んで仲間と騒ぎ、
自由な就業時間の中で、それぞれの自由な時間を楽しんでいました。

スペインでは、バルで立ち飲みしながらタパスをつまみ、軽く飲んだ後に
じぶんちでゆっくりとした食事を楽しんでいました。

そしてイタリアでは、エスプレッソを立ち飲みカウンターでサッと飲み干して仕事へ。
長い昼休みはイヌの散歩とおしゃべりを楽しみ、夜はワイン片手にゆっくりゆっくりと
食事しながら会話を楽しんでいました。

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 これらの全ての楽しみは、決して多くのお金を必要としていません。
彼らの時間の使い方は粋であり、またとても上手なのでした。つまり、彼らは、
日常を楽しむために、贅沢に時間を使っていたのでした。

 それに対して日本人はというと、毎日の過剰とも言える仕事に終われ、
生活を楽しんでいる余裕がある人はあまり多くはないのではないでしょうか。
そうして作られた経済的豊かさは、他の国を圧倒するほどですが、これは本当に
豊かな国といえるんでしょうか。

 都会では季節を感じることも少なく、日本の芸術も文化もどこか他人事のように感じて
とにかく月曜から金曜までは、必死でしのいでいるのが一般的になっていないですか?
僕自身のサラリーマン時代を振り返っても、欧州諸国のように日常的に時間を贅沢に
使っていたかというと、答えはNoだったと思います。

 合理化と効率化の行き着く先に、本当の豊かさは無いのでは?
むしろそれらの合理化によってもたらされた自由な時間の中にこそあるのでは?
そしてそれらは特別なことではなく、日常の所々にあるのでは?

 たとえば、機械を使って簡単に炊飯するのではなく、
土鍋を使って、火の加減に悩まされながら炊き上げるご飯は、いつもよりおいしい。
秋になったら、縁側でわざわざ炭火をおこした七厘で、焼き上げる旬のサンマも
ビールをあわせて、これまたやっぱりおいしい。

 これらにかけるのは、お金ではなく、ちょっとした時間。
時間をかけること、つまり手間をかけることで日常がちょっとした贅沢に変わる。
ヨーロッパの人たちは、この工夫をとても大切にしていました。

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 日本は、そのまじめで勤勉な性格ゆえ、イタリアのように昼寝の時間を制度化しても
きっと有効に使えないのではないでしょうか。仕事してしまったりして。
そんな日本人に必要なのは、日常的にできるほんの少しの
”時間の贅沢“ではないでしょうか。

 1ヶ月の間バカンスに出るのではないんです。
仕事後にジャズの演奏を聴きながら飲む一杯のビール。
友だちの家でリラックスして楽しむ手料理。平日には平日の楽しみかたがある。
仕事と両立できるくらい、ほんの数分で楽しめる時間の贅沢。

 高級な家具に囲まれて、高級な料理を食べにいく贅沢の他に
少しの時間と、少しの工夫によって生まれる粋でオツな時間の贅沢が
今の日本には必要なのではないでしょうか。

 モノが溢れている世の中で、何でも揃うのが当たり前の日本の生活。
敢えてわざわざかけるひと手間で感じる喜びは、日々の生活をもっと鮮やかにするんだと思う。

 経済力だけが豊かさをはかるものさしではなく、時間を使った粋でオツな風流さが、
ものさしになりえる事を僕は、ヨーロッパの生活で学んだ。
そして帰国して見る日本では、そういった新しい価値観へとシフトしていると
少なからずもそう感じた。


 時間の贅沢を感じられるレストラン。僕が今一番つくりたいお店です。


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人気ブログランキングへ 僕の論文「ああ、贅沢」より。
 なんだそりゃ。
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#165 東京ってカオス。

しんじゅく


「あぁ~。ついに帰ってきた~。安心する~。 …ってあれ?」


イタリア、フランス、ドイツ、オランダ、イギリス、スペイン。
ヨーロッパをぐるっと回って、久しぶりに見る東京には激しい違和感。

アイリッシュパブの横に牛丼屋があって、その横に子供服とサラ金のATM。
ん~。なんの統一感もないというか。バッラバラというか。
看板やら電飾やらネオンで派手だなとも感じました。

日本に帰ってきた安心感よりも、久しぶりに見た日本への驚きのほうが強かった。
ちょっと大げさだけど、「あれ、こんなんだったっけ?」というような。


帰国後、1週間ほど東京に滞在し、
夜は昔の仕事仲間やお世話になった人たちと宴会三昧。
昼は渋谷、新宿、表参道、原宿、東横沿線などを今までの旅の目線で歩き回りました。

僕らがそこで見たものは、とにかく物質的に豊かな街。

人工的で整った自然とアスファルトばかりの光景で、
東京ってこんなに土がなかったかなと。
そして電車に乗る人の表情がちょっと疲れてるなとも。

ヨーロッパのどの国よりも経済的に豊かなんだけど、
外国から見て本当に豊かなんでしょーか。




人気ブログランキングへ とにかく置き引きやスリへの心配が少なくなって
 ずいぶん気楽になりました。ほっと一安心。

#164 帰国

ひこうきだ



 「来てよかったな。。。イタリア。」

   「もちろん。そんでこっからがいよいよ本番。」




5/10(月)11:25AM ミラノ発
5/11(火)9:50AM 成田着


ちょうど一年前に日本を後にして、ついにこの日を迎えた。
一年も経ったのが信じられない。
ちょっと前に、ミラノのマルペンサ空港でホテル探しをした気がする。

イタリア生活の最終日の今夜、ユーと二人で一年を振り返ってみた。

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フィレンツェの語学学校時代。
言葉がじぇんじぇん分からないまま生活になれるのだけでも一苦労。
イタリア人、意味不明。

運よく働き始めたものの、言葉の壁にストレスな日々。
心温まる厨房メンバーとの出会いがありつつも
突然家がなくなり、難民キャンプへ。
かなり不潔な部屋でお盆にひとりぼっち。この一年でもっとも切ない。

そしてプーリアで老舗リストランテへ就職。
比べ物にならないほどすごい食材の力を知り、イタリアの田舎料理を堪能。
厨房では、様々な料理にチャレンジできとても充実。

と思ったら、ソースが目に入って傷つき入院。
異国の地でひとりぼっち入院。意味不明。

年が明けて暴力事件をはじめとする過酷な日々に、耐え続けることもあったけど、
なんとかお互いこれを乗り越える。ある意味タフになった。
この時期の仕事は毎日がつらかった。心身ともに消耗していった。

そしてヨーロッパ旅行に出て、最後の1ヶ月を過ごす。
パリ、ベルリン、アムステルダム、ロンドン、マドリッド、バルセロナと
刺激に溢れた日々で、ものすごく多くのことを吸収した。
そして火山も噴火した。勘弁してください。


マドリッドのある夜。
僕たちの作りたいレストランの形がはっきりした。

(このお話は、また今度)

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そしてようやく今日を迎えた。

自分の無力さを実感し、悔しい思いもたくさんして、強くなった。
料理の意味を考えさせられる一年で、想像以上に実りが多かった。
風呂もお金もなくとも屋根があれば、生きていけるようにタフになった。

こうして実りのある一年になったのは、
つらいときに応援してくれたみなさんのおかげです。


一年間、支えてくれた全ての人に本当に感謝しています。



2010/5/10  深夜1時
ミラノの汚い安ホステルのベッドの上で
まじろう

#163 たびの終わり (31日目)

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5/4(火)

ようやくフィレンツェへ戻ってきました。

これにてヨーロッパの旅は終了!おつかれさまでした!



#162 バルセロナ(29ー30日目)

5/2(日)ー5/3(月)

さて、バルセロナものこり少し。

この街が終わるってことは、このヨーロッパ旅行が終わるってこと。

あっという間だった1年間のヨーロッパ生活も終わりが近づくと、しんみりしてきます。
旅の終わりを飾るにふさわしいバルセロナの魅力をどうぞ!

ぐえる

ここはグエル公園
ユネスコの世界遺産に登録されているガウディ建築のひとつだ。

現在でこそ公園となっているけど以前は、
先日紹介したガウディのパトロンであるグエルとガウディの夢が注ぎ込まれた
分譲住宅だったのである。   (→グエルとは?


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ガウディは同じ芸術センスを持つグエル伯爵というパトロンと、
自然との調和を目指した総合芸術を作り上げようとしました。

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この頃、バルセロナでは工業化が急速に進んでいて
それに対してガウディとグエルはこの場所に、人々が自然と芸術に囲まれて暮らせる、
新しい住宅地を作ろうとしたのでした。

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しかし、ふたりの進みすぎた発想と自然の中で暮らす価値観は、
当時はまだ理解されませんでした。

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広場、道路などのインフラが作られ、60軒が計画されていましたが買い手がつかず、
結局売れたのは2軒で、買い手はガウディ本人とグエイ伯爵だけだったようです。

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グエルの死後、ここは市に寄付され、公園として使われるようになりました。
そのためこの公園には、これらの建物の他に森林が広がっています。

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当時、完成していたエントランス部分が残っている。

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壁からせり出した緑など、随所に緑を取り入れようとしたアプローチが見られる。
人工的なんだけど、そうは見えないのが調和しているということ?

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自然との調和。
実は僕らのこの旅のテーマとも似ているため、この公園はすごく気になっていました。
そして、当時は自然の中で生活する素晴らしさが理解されず、失敗に終わったのは
すごく残念におもいました。
もし、現代の日本ならうまくいくでしょうか???




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次は、一路ケーブルカーに乗ってバルセロナの西武を目指します。
なんと地下鉄の一部の路線であるため、同じ切符で連絡できます。

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坂道を上り、トンネルを抜けると・・・

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モンジュウィックの丘があります。
この丘は、バルセロナオリンピックの会場になったあの丘です。
そしてこれはモンジュウィック城と言う城塞です。

Iおか

ケーブルカーから降りると、ロープウェーで丘のてっぺんまでいけます。
僕らは歩いたけど、これに乗ってもおもしろかったと思いますよ。

この丘からは、バルセロナの全景が見渡せます。
ひときわ大きくサグラダファミリアがそびえ、他の国とは違う色合いで
スペインの最もスペインらしい色合いを感じられるでしょう。




そしてやっぱりスペインと言えば、タパス。
好きなものを好きなだけ自分でとって食べるスタンディング形式のスペインバル。
色とりどりのタパスは、見てるだけでもおもしろい。 (→タパスって何?

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さらに、前回ちょっと失敗したパエリヤのリベンジをするべく
バルセロナのNO1人気の呼び声も高いここへ!

「Les quinze nits」(ラス・キンザ・ニッツ)


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ゴシック地区のレアール広場にあるお店で、その人気はすさまじい。
席数は100席くらいあるくせに、50mほどの行列ができる。
ちょっとしたアトラクションみたいになっています。

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まずはオリーブから始まる。
これはサービスだけど、けっこういける。パンもおいしい。

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そして目当てのパエリヤへ!
2人前からの注文で1人€7.4なので、この界隈で最も安い!

そしてうまかった!
手長エビ、ムール貝、豚肉、グリーンピース、イカ、と具はちょっと少ない気もするけど
はずれのないおいしいパエリヤだったので、行って間違いない!


「Les quinze nits」
Placa Reial, 6
Tel:93 317 30 75
13:00~15:45 19:00~23:00
週末:13:00~13:00 年内無休
地下鉄 LICEU(L3)


とうとう明日の16:00にフィレンツェへ向けてのフライト。
なかなか過酷だったけど、このたびが終わることが
とてもさみしく思います。



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#161 人類の想像力。ガウディ。(28日目)

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5/1(土)

というわけでバルセロナ!すごい人の多さ! 祭か?!


とにかくそう思うほどに目抜き通りの周辺は人が多い。
人と人が密集するため、スリ対策は今まで以上に警戒しないといけないという。

そんなバルセロナで、最もよく話題になるのは、もちろんガウディ。
バルセロナの街のいくつかの場所に彼の作品が点在し、
現代の建物の中にあっても、まったく色あせない魅力をみせている。

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これが有名なサグラダ・ファミリア(Sagrada Familia)
当時まだ無名の30歳のガウディが設計を引き継いで、
かれが74歳で死去しても完成せず、障害のライフワークとなった作品だ。
現在なお建設は続いており、12本の尖塔のうち8本が完成し、2026年に完成する。

教会はこの一年でとても多く見て、そろそろ新鮮さも薄れてきているけど
ここを生で見るのは、ヨーロッパのどの教会よりも刺激的だ。
そして、この教会については、なんと表現していいのかわからない。

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そしてこれがガウディ建築のカサ・ミラ(Casaa Mila)
ガウディと言えば、サグラダファミリアの印象が強いけど、これらの家や公園の
作品の方が、ガウディの個性が前面に出ていておもしろい。

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目抜き通りのグラシア通りにあるためか、内部にショッピングスペースなどがある。
入場料が必要ですが、屋上には様々な形の煙突がある。

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石切り場というニックネームがついたように、加工してない石をそのまま使った
斬新な建築物なので、当時はそれが醜悪と見なされていました。

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直線部分を全く持たず、天井から壁に至るまですべて波打っている。
バルコニーも例外ではなく、鉄で作った海藻のような柵が印象的で
全体が波間を漂っているような不思議な感覚を受ける。

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窓枠も天井も壁もすべてグニャグニャ。


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そしてこれがグエル邸

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初期のガウディ作品で、鉄を多用しているのが特徴。

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彼は、この富裕なパトロンであるグエルとの出会いによって、その後
自由な創作活動をすることができた。
グエル公園も同様に作られている。


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そしてこれが、バトリョ邸
大繊維業者のバトリョの依頼を受け、2年がかりで作ったものである。

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これらガウディの建築物は、ユネスコの世界遺産に登録されている。

ドラゴン

この邸宅の造形にはさまざまな説があり、そのうちのひとつにドラゴン説がある。
屋根の一部が丸く盛り上がり、まるでドラゴンの背中のように見えることから、
カタルーニャの守護聖人であるサン・ジョルディの竜退治の伝説を
なぞっているという解釈である。

やり

この解釈によれば塔は聖人の構える槍とされる。
カサ・バトリョには、ファサードの石柱が骨を想起させることから
「骨の家(Casa dels ossos)」というあだ名もあるが、
竜退治説によればこの骨もドラゴンの犠牲になったものたちの骨と理解されている。

バトリョ

カサ・バトリョは曲線を特徴とするモデルニスモの顕著な作例と見なされている。

バトリョ2

人類の創造的才能を表現する傑作。

その理由によって、ガウディの建築群は世界遺産になった。
建築の技術よりも芸術性を感じるその建築物は、想像力の結晶のよう。

かれは、方程式や数式よりも、数限りない実験によってこれらの建築を作り上げ、
「美しい形は構造的に安定している。構造は自然から学ばなければならない」と、
ガウディは自然の中に最高の形があると信じていた。

人気ブログランキングへ 明日は、グエル公園へ!
 ガウディ建築のもうひとつの傑作です。
あっはっは!

majiro

Author:majiro

企画マン まじろー
(写真:右)
 このブログの執筆者
2009/2
 サラリーマン卒業!
2009/5
 フィレンツェでコック修行!
2009/9
 プーリアでコック修行!
2010/4
 ヨーロッパ旅行
 『世界の緑から』へ出発!
2010/5
  帰国。(東京→三重へ)

デザイナー  ユー
(写真:左)


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